実地指導は介護事業をやるうえで必ず頭に入れておかなければ

いけないものとなります。

適切に運営がされているか、法定書類が整備されているか、

などチェックされます。

実地指導で疑義が生じた場合は監査へ発展する場合もあります。

しっかりと対応できるよう日々のコンプライアンスに気を付けると共に

実地指導自体について理解しておく必要があります。

1 実施主体

以前は都道府県が実地指導を実施していました。

しかし、平成24年度の制度改正により権限移譲が

なされ中核市もできるようになりました。

権限移譲の他に実地指導マニュアルも改訂され

この頃より行政処分が急増するようになりました。

 

2 新規許認可後の1年以内の実地指導

事業所番号が交付されてから1年前後に実地指導が

保険者によって実施されます。

【主なチェック内容】

営業に関わる書類

サービス実施記録

介護給付費請求書

利用者請求書及び領収証

人員規定

実地指導の一ヶ月程前に、事前に指導に関して用意しておくべき書類一式の

リストが送られてきます。リストを確認しながら書類を整備していきましょう。

 

3 実地指導先の選定基準

選定基準は細かくありますが、ここでは

代表的なものを列挙いたします。

【苦情・告発】

・家族からのクレームが多数寄せられた

・重大な内容の告発があった

苦情・告発内容によっては通知もなしでの

実地指導もなされる場合があります。

 

【国保連介護給付適正化システムで特異傾向にある】

ケアマネージャーから上げられた給付管理表と事業者が請求データと異なるなどがある場合は自動的に抽出され、所轄の保険者に情報提供されます。

 

【集団指導に全く参加していない】

集団指導は欠席してもペナルティはありません。

しかし、出席状況は役所によって管理されており、全く参加していない事業所は実地指導の対象となります。

 

4 今後の実地指導

実地指導は回数は増え、より厳罰化傾向にあります。これは今後も一層厳しくなると思われます。

しかし、書類整備は骨が折れるものです。

加算方式によって整備しなければいけない書類に現場は疲弊しています。

悪質な事業所だけではなく、健全に頑張っている事業所も複雑になり過ぎた介護保険に翻弄されていると思います。

国会では加算方式ではない方法についても審議されていますが、どうなるかはまだまだ分かりません。

しかし経営していく以上はコンプライアンスを守っていくしかありません。

そのためにも実地指導内容をしっかりと理解しくことが大切と思います。